PREVENT 予防ケアの大切さ
『予防ケア』は、「歯やお口が病気になってから治療する」のではなく、「歯やお口の病気を未然に防ぐ」という考えのもとに行なうケアや診療のことをいいます。
虫歯になった場合、治療を受ければ虫歯で溶けた部分はなくなりますが、もう二度ともとの健康な歯に戻ることはありません。一度虫歯になった歯は、再び虫歯になりやすく、また虫歯になっては治療するということを繰り返していては、どんどん歯は弱くなり、生涯にわたるお口の健康維持は難しくなってしまいます。
お口の健康を保つためには、虫歯や歯周病にならないように予防することが大切です。自分で行なう歯磨きなどの『セルフケア』はもちろんのこと、歯科医院での『プロフェッショナルケア』も受けましょう。セルフケアとプロフェッショナルケアの両方を行なうことで、虫歯や歯周病の予防効果をより高められます。
当院では、予防ケアとしておもに以下の取り組みを行なっています。
当院の予防ケアメニュー
歯磨き指導
予防の基本となるのは、患者さまご自身による歯磨きです。
『歯磨き指導』では、まず患者さまの普段の歯の磨き方を確認します。そして、患者さまの磨き方の癖や歯並びなどお口の状態を踏まえたうえで、適切な歯の磨き方と磨き残しをつくらないためのコツをレクチャーします。また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシの効果的な使用方法についても丁寧にご説明します。患者さまのお口に合った歯ブラシや歯磨き剤の選び方についてアドバイスすることも可能ですので、お気軽にお声がけください。
なお、検診時に定期的に歯磨き指導を受けると、適切な歯磨きを維持できます。
PMTC
『PMTC』は、歯科医師や歯科衛生士が専門の器具を使って歯のクリーニングを行なうことです。
どんなに丁寧に歯磨きをしていても、歯と歯の間や、歯と歯肉の間などの細かい部分の汚れは落としきれません。PMTCでは、そのような部分まできれいに磨いて、汚れをきちんと落とせます。たばこのヤニや茶シブなどの着色汚れも落とせるので、白くツルツルの歯を取り戻せます。また、歯の表面が滑らかになることで、歯垢が付着しにくくなります。
さらに、仕上げに再石灰化の促進や歯質強化の効果を得られる『フッ素塗布』を行なうことで、虫歯や歯周病の予防効果を高められます。
定期検診
生涯にわたって自分の歯で食事や会話を楽しむためには、日ごろからお口の病気の予防を心がけ、セルフケアはもちろん、プロケアを受けつづける必要があります。
そのために、当院では『定期検診』を実施しています。定期検診にて虫歯・歯周病の有無や歯並び・噛み合わせの状態などを確認することにより、お口の病気の早期発見・治療が可能になります。また、同時に歯磨き指導やPMTCを受けることで、お口の病気を予防しやすくなります。
患者さまのお口の状態にもよりますが、3～6ヵ月に1回の頻度で検診を受けていただくことをおすすめしています。お口の健康維持を意識し、1本でも多くの歯を残せるよう、積極的に予防に取り組みましょう。
担当医に聞いてみました
『予防ケア』は、普通の治療と何が違うのですか？
普通の治療では、虫歯や歯周病などの病気を治すための処置を行ないます。一方『予防ケア』では、それらの病気を未然に防ぐ処置を行ないます。つまり、歯やお口の中を健康な状態に保つために、病気になってからの“治療”ではなく、なる前の“予防”に重点を置くということです。
予防ケアではおもに、歯磨き指導、クリーニング、定期検診などを行なっています。もちろん患者さまがご自分で適切なケアを行なうことも大切です。当院では、セルフケアは子どものときからの取り組みが重要と考え、お子さまの歯磨き指導にも力を入れています。
将来の歯やお口の環境を整えるために注目されている歯科医療分野が、『予防ケア』だといえます。
毎日きちんと歯磨きしていますが、それだけではいけないのですか？
予防ケアは、患者さま自身が行なう『セルフケア』と、歯科医院で行なう『プロフェッショナルケア』の両方が必要です。
とくに予防の効果を左右するのがセルフケアです。毎日きちんとセルフケアを行なうことにより、歯と歯の間などに付着する歯垢を落とせます。また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、歯垢の除去率が上がります。
歯垢を落としきれないと、やがて歯石へと変化します。歯石は、一度ついてしまうと歯ブラシなどで取り除けないため、歯科医院で専門の器具を使って取り除く必要があります。これがプロフェッショナルケアです。
当院では、定期的にご来院いただいて検診や歯磨き指導、患者さまに合ったプロフェッショナルケアの受診をおすすめしています。私たち歯科医院と力を合わせ、歯やお口の健康を維持していきましょう。
歯が悪くなくても、歯科医院に行っていいのですか？
もちろんです。ぜひいらしてください。
虫歯や歯周病の大半は、自覚症状のないまま進行してしまいます。とくに自覚症状がなくても、歯科医院で定期的に検診を受けることで、早期発見・早期治療ができ、将来的に歯を長持ちさせることが期待できます。
・歯の病気の治療ではないため自費（保険適用外）での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・歯科医院でのPMTC・クリーニングだけでは、虫歯・歯周病の予防はできません。日ごろから歯磨きなどのケアに努めることで、予防効果を上げられます。
・歯肉の腫れや歯肉炎のある方は、器具が当たることにより痛みや出血をともなうことがあります。
・歯と歯肉の境目への歯石の付着が多い方は、歯石除去後、歯肉から出血が見られることがあります。多くの場合、クリーニング後しばらくすると出血は治まり、1～2日で歯肉は治癒します。
・着色汚れや歯垢・歯石はPMTC・クリーニングで除去できますが、効果は永続的ではありません。いずれも再付着するものなので、定期的に受診して処置を受けることが大切です。